サポート・グループ☆マジック

 

血管炎サポート・グループがスタートしました。

 

心理学系の学術大会では「はじめの1年間はサポート・グループの参加者がほとんどいなかった」という実践報告を度々聞きます。2年目からグループの存在が知られるようになって参加者が増えてくることが多いのですが、1年目は12回のうち6回~10回参加者がいないまま開き続けていることも稀ではありません。

そんなわけで血管炎サポート・グループも初めの半年は参加者0人の回が続くだろうと予想していました。ところがなんと、この血管炎サポート・グループは初回からお申し込みがありました。内容も、病気の事・治療の事・社会生活のことまで話が及ぶ充実したものでした。

 

サポート・グループでは参加した方が他の人の味わった大変さに比べると自分の体験はなんて大したことがない”と感じてしまう不思議な現象が起こります。

 

私たちはきっと、いつの間にか自分自身に起こったつらい体験を忘れ、忘れることによって前を向き、生き延びることができているのです。しかしその身を守る行為によって自分自身の足跡の価値を確かなものとして感じられなくなったり、苦悩を乗り越えた自分を肯定的にとらえられなくなったりすることが起こります。

 

今回のサポート・グループではひとりひとりが難病の症状がもたらすつらい現実に真摯に向き合い、病気共に生きていこうと工夫を重ねている様子が語られました。

 

私たちは自分の体験を言葉にしてはじめて、その重みを自覚できるのかもしれません。

 

病気をもつ方々、ご家族の皆さん、ささいなことに悩みながら今を生きているあなたに価値があります。

どうぞそのことを忘れずに毎日を過ごしてください。

 

参加者の苦悩や努力が雲隠れしてしまう「マジック」ではなく、苦悩と共に生きてきた自分の価値を再発見する「マジック」がサポート・グループの中で起こるといいな、と感じています。